大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)3178 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人福田覚太郎の上告趣意について

第一審の判決をその公判調書と共に検討してみても、第一審裁判所が所論の如く、

本来執行猶予を付すべき事案を、法律上これを付し得ないものと判断して実刑を科

したと認むべき形跡はない。また原判決を控訴趣意と対照して検討しても、原審が

特に右の如き見解の下に第一審判決を維持したものとも認められない。従つて論旨

は要するに、本件事案は執行猶予を付すべきものであるに拘わらず、これを付さな

い違法があるとの主張に帰するわけであつて、上告理由として不適法である。なお

刑法二五条の解釈が最高裁判所の判例に異なるものがあるという論旨は如何なる判

例なりやを具体的に示さないから採るを得ない。

また記録を調べても、刑訴四一一条を適用して原判決を破棄すべき事由を発見す

るを得ない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和二八年二月二四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!